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2014年1月22日

出せなかった手紙


青☆組『人魚の夜』が無事に終幕した。


今回、劇団の「演劇観」のようなものが、僕自身のそれと大きく違っていたので
稽古・本番を通して、たくさんのことを悩み、考え、挑戦もした。

寄り添いながら、自分の信念をいかに貫くか
他人を否定せずに、同時に自分を諦めず、いかに両立させるか
異なる価値観の出会いを、いかに新たなエネルギーに転じるか

悔いが残る点もたくさんあるが、僕が新しく獲得できたものもある。
自分が大切にしてきたものを、改めて大切に思うこともできた。
そして今回格闘したこと自体が、今後の糧になるだろう。
もっと僕は、自分を信じ、覚悟を決めて責任をとることが必要かもしれない。
今回の公演を終えて、ぼんやりとそんなことを考えている。


この作品がどんな作品であったかについては
観た人それぞれの受け取り方があるだろうし
作り手の側もそれぞれの捉え方があったと思うが
僕にとってはシンプルに「家族」についての物語だった。

若かりし日に父親と諍いを起こし故郷を捨てた男が
妹の死を機にひさびさに帰郷する。
過去の記憶と、懐かしい風景に眩みながら
最愛の妹の弔いを済ませ、再び故郷を去る。
これが僕の演じた男の物語だ。


過去と再会し、古い記憶は新たに塗り替えられるが
過去に刻まれた傷はもはや癒すすべはなく。
その傷の痛みを改めて思い知る時間だっただろうか。
彼の抱えていた哀しみや孤独感は、一層深まったような気がした。
切ないけれど、僕にもそういうことがあるし
誰しもにとってきっとあるだろう。
歳を取るほど、どうにもならないことが増えていく。


劇中で、僕の演じる男は最愛の妹の死に直面する。
彼はかつて、妹から大切な手紙を受け取っていたが
返事をうまく見つけられずに返さないままでいた。
彼は妹の死後、ようやくその返事を書き、それを棺の中に入れる。
その手紙を読むモノローグのシーンは
彼が妹を悼み、弔う時間であり
僕自身が亡くした人を悼み、弔う時間でもあった。

Image_2



これは妹を演じたまこ(小瀧万梨子)に書いてもらった手紙。
劇中には登場しないが(モノローグとして読まれるだけ)
これが今回演じるにあたって一番の助けになった。
まことは古い知り合いで今回は『RUR』に続いての共演。
彼女が妹だったおかげで、いろんなイメージが作りやすかった。
ありがとう。


そういえば、今回は他にもたくさん共演経験のある人がいた。
はるかちゃんは『ヘッダ・ガブラー』から半年で再び共演。
志郎ちゃんとは『Caesiumberry Jam』以来、念願の共演。
ゲンとは10年来の付き合いで、今回がなんと6度目の共演。
彼らと再会できたこともとても嬉しかった。
縁に感謝です。




最後になりますが
あの小さな空間で、たくさんの人とあの静かな時間を過ごせたことを幸せに感じます。
ありがとうございました。

また劇場でお会いしましょう。







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